今日は、OSPFでよく出てくる ルータID、コスト、エリア について整理しました。
OSPFは用語が少し多くて最初は取っつきにくいですが、見方をシンプルにするとだいぶ理解しやすくなる気がします。前回までに見た 2-Way や Full のような隣接関係の流れがあって、その上でルータ同士が経路情報を交換し、どの経路を使うかを判断していく、というイメージです。

ブロードキャスト環境のOSPFでは、他ルータ同士は2-Wayで止まりやすく、DRやBDRとはFullまで進みやすい、という基本イメージです。ルータIDは、OSPF上の名札のようなもの
まず覚えておきたいのが、ルータIDはOSPF上でルータを識別するための名前 のようなものだということです。見た目はIPアドレスに似ていますが、役割としては「通信の住所」というより、「OSPFの中で誰なのかを見分けるための識別子」と考えた方が分かりやすいです。
Ciscoの説明では、OSPFは起動時にルータIDを自動で選びます。基本的には ループバックインターフェースがあればその中で最も大きいIPアドレス、なければ 通常インターフェースの中で最も大きいIPアドレス が使われます。つまり、ルータIDはIPアドレスの形を借りることはあっても、意味まで完全に同じではない、という理解でよさそうです。
ルータIDとIPアドレスは、同じではない
ここは少し混乱しやすいところですが、
IPアドレス = 通信のための住所
ルータID = OSPF上の名前
と分けて考えるとすっきりします。
OSPFのルータIDは、LSAやOSPFパケットの中で「この情報を出したのは誰か」を示すために使われます。なので、実際の通信に使う宛先IPそのものとは役割が違います。見た目が似ているせいで同じものに見えやすいですが、学習段階では「似ているけど別物」と覚えておくのがよさそうです。
コストは、その経路の通りやすさを表す数字
次に大事なのが コスト です。
OSPFでは、どの経路を使うかを決めるときに、このコストを見ます。Cisco Community の説明では、OSPFのメトリックは cost で、帯域幅が大きいほどコストは小さくなる とされています。つまり、ざっくり言えば 通りやすいリンクほど小さい数字になりやすい ということです。
コストはデフォルトでは 参照帯域幅 ÷ インターフェース帯域幅 で計算されます。なので、速い回線の方が小さいコストになりやすく、OSPFはその情報を使って「どちらの経路の方がよさそうか」を判断します。
OSPFはホップ数最小ではなく、コスト最小で選ぶ
ここはRIPと比較すると印象に残りやすいところです。
RIPはホップ数を重視しますが、OSPFは ホップ数の少なさだけではなく、コストの合計 で経路を選びます。Cisco Community でも、同じ種類のOSPFルートが複数ある場合は、最も低い cost を持つ経路が選ばれる と説明されています。
たとえば、
2台経由でもコスト20
1台経由でもコスト30
なら、OSPFは前者を選ぶ、という考え方です。
最初は「遠回りなのにそっちを選ぶの?」と思いましたが、OSPFは単純な段数ではなく、全体としてどちらが有利な経路か を見ていると考えると納得しやすいです。
エリアは、OSPFの管理範囲を分ける単位
OSPFでは、ネットワーク全体を エリア という単位で分けて管理できます。Ciscoでは、エリアを OSPFネットワーク・ルータ・リンクの論理的なまとまり と説明していて、エリアを分けることでデータベースのサイズや経路情報の広がり方を抑えやすくなります。
特に重要なのが エリア0 です。
エリア0は バックボーンエリア と呼ばれ、複数エリア構成では中心になる場所です。Ciscoでも、複数エリアを使うなら backbone area、つまり area 0 が必要 であり、各非バックボーンエリアは area 0 に直接つながる必要があると説明されています。学習段階では、エリア0 = OSPFの背骨・中心 と覚えておけば十分だと思います。
今回の内容にいちばん近い参考キャプチャはこちらです。

今回の理解をひとことで整理すると
今回の内容を自分なりにまとめると、
ルータIDはOSPF上の名札、コストは経路の選ばれやすさ、エリアは管理範囲の区切り
という感じでした。
さらに、
ルータIDはIPアドレスと完全に同じ意味ではない
OSPFはホップ数ではなくコストで最短経路を考える
この2点は特に大事だと感じました。ここが分かると、OSPFの見え方が少し整理される気がします。
まとめ
今日は、OSPFの基本用語として ルータID・コスト・エリア を整理しました。
最初は用語だけ見ると難しく感じますが、
ルータIDは「名前」
コストは「通りやすさの数字」
エリアは「管理範囲の区切り」
くらいの感覚で押さえると入りやすいです。
OSPFはホップ数だけではなく、コストの小さい経路を選ぶ という点も、RIPとの違いとして覚えておきたいところです。


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