CCNA学習54日目|DHCP 入門(第4回)DHCP Relay / ip helper-address の基本

CCNA学習54日目のDHCP入門(第4回)アイキャッチ画像。DHCP Relay と ip helper-address の基本を、PC1・R1・R2 のネットワーク構成と中継の流れで分かりやすく示したCCNA学習記事用サムネイル 資格学習ログ

ここ数回は DHCP の基本や、Router を DHCP サーバとして使う設定を学習してきました。
今回は Packet Tracer を使った最小構成で、DHCP サーバが別ネットワークにいる場合はどうするのかを確認しました。

DHCP では、最初に PC が DHCP Discover をブロードキャストで送ります。
ただし、ルータはそのブロードキャストをそのまま別ネットワークへ通しません。
そのため、別セグメントに DHCP サーバがある場合は、DHCP Relay を使って中継する必要があります。

DHCP Relay とは何か

DHCP Relay は、クライアントから受け取った DHCP のブロードキャスト要求を、別ネットワーク上の DHCP サーバへ転送する仕組みです。
今回の構成では、PC1 は 192.168.1.0/24 側にいて、DHCP サーバは R2 側にあります。そこで、R1 が中継役になって、PC1 の DHCP Discover を R2 へ届けます。

今回の構成

今回の構成はとてもシンプルです。
PC1 が Switch1 に接続され、その先に R1、さらに R2 が接続されています。
PC1 は DHCP でアドレスを受け取りたい端末、R1 は Relay Agent、R2 は DHCP サーバという役割です。
物理接続はすべてアップ状態で、学習用として分かりやすい最小構成になっています。

DHCP Relay の学習用として作成した Packet Tracer の構成図。PC1、Switch1、R1、R2 を直列に接続し、R1 が中継役、R2 が DHCP サーバ役となる最小構成のイメージ
Packet Tracer で作成した DHCP Relay 学習用の最小構成イメージです。PC1 からの DHCP 要求を R1 が受け取り、R2 の DHCP サーバへ中継する流れを確認します。

今回のアドレス設計は、次のように考えると理解しやすいです。

  • PC1 がいる LAN 側:192.168.1.0/24
  • R1 – R2 間:10.0.0.0/30
  • DHCP サーバ役:R2
  • DHCP 中継役:R1

なぜ ip helper-address が必要なのか

PC が DHCP で IP アドレスを取りにいくとき、最初は DHCP Discover をブロードキャストで送ります。
でも、ブロードキャストは基本的に同じネットワーク内だけで届く通信です。ルータを越えてそのままは進めません。
そこで、R1 の PC 側インターフェースに ip helper-address 10.0.0.2 を設定しておくと、R1 は受け取った DHCP ブロードキャストを R2 へ転送してくれます。

DHCP Relay と ip helper-address の基本を示した図。PC1 からの DHCP Discover を R1 が受け取り、ip helper-address で R2 の DHCP サーバへ中継し、Offer、Request、Acknowledge の流れでIPアドレスを受け取る仕組みのイメージ
DHCP Relay / ip helper-address の基本イメージです。R1 が DHCP Discover を受け取って R2 に中継し、別ネットワーク上の DHCP サーバから PC1 へ設定情報を配布する流れを表しています。

R1 の設定内容

R1 は DHCP サーバではなく、中継役です。
PC 側のインターフェースで DHCP Discover を受け取り、それを R2 に転送します。

Copyenable
configure terminal

interface fa0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
ip helper-address 10.0.0.2
no shutdown
exit

interface fa0/1
ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
no shutdown
exit

end
copy running-config startup-config

ここで特に大事なのは、ip helper-address を fa0/0 に入れていることです。
fa0/0 は PC 側、つまり DHCP のブロードキャストを受け取る側のインターフェースです。
この位置に設定することで、PC1 の要求を R2 に中継できるようになります。

R2 の設定内容

R2 は DHCP サーバ役です。
192.168.1.0/24 のネットワークに対して、IP アドレスやデフォルトゲートウェイ、DNS サーバを配ります。

Copyenable
configure terminal

interface fa0/0
ip address 10.0.0.2 255.255.255.252
no shutdown
exit

ip dhcp excluded-address 192.168.1.1

ip dhcp pool CLIENT-LAN
network 192.168.1.0 255.255.255.0
default-router 192.168.1.1
dns-server 8.8.8.8
exit

ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1

end
copy running-config startup-config

ip dhcp excluded-address 192.168.1.1 は、R1 の LAN 側アドレスを DHCP で配らないように除外する設定です。
また、ip dhcp pool CLIENT-LAN の中では、どのネットワークに対して、どのゲートウェイや DNS を配るかを定義しています。

さらに今回は、ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1 も入れています。
R2 から見れば、192.168.1.0/24 は自分の直結ネットワークではないため、戻り先を R1 に向ける静的ルートが必要です。これを入れておかないと、DHCP の応答やその後の通信が戻れず、うまく動かない原因になります。

PC1 側で行うこと

PC1 側はとてもシンプルです。
IP Configuration で DHCP を選ぶだけです。

手動で Static のままになっていると、DHCP で自動取得する動作にならないため、期待した結果が確認できません。
DHCP の検証をするときは、まず PC 側が DHCP 取得モードになっているかを見るのが基本です。

実際の流れ

今回の通信の流れは、ざっくり言うと次のようになります。

まず PC1 が DHCP Discover をブロードキャストで送ります。
R1 はそれを受け取り、ip helper-address 10.0.0.2 に基づいて R2 へ転送します。
R2 は DHCP サーバとして Offer を返し、PC1 は Request、最後に R2 が Acknowledge を返します。
この流れによって、PC1 は自分で手入力しなくても、IP アドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNS サーバを受け取れます。

今回の学習で押さえたいポイント

今回いちばん大事なのは、DHCP サーバが別ネットワークにいると、そのままでは PC の DHCP ブロードキャストは届かないという点です。
そのため、ルータ側で ip helper-address を使って中継する必要があります。

また、設定の見方としては次のイメージで整理すると分かりやすいです。
R1 では「受け取って転送する」、R2 では「配る」、PC1 では「DHCP で受け取る」です。
この役割分担が頭の中でつながると、DHCP Relay の全体像がかなり理解しやすくなります。

まとめ

今回は、DHCP Relay / ip helper-address の基本を最小構成で確認しました。
同じネットワーク内なら DHCP サーバからそのまま配布できますが、別ネットワークに DHCP サーバがいる場合は Relay が必要になります。

R1 では ip helper-address を PC 側インターフェースに設定し、R2 では DHCP プールを作成してアドレスを配布しました。
この流れが理解できると、今後 VLAN をまたぐ DHCP 配布や、より実務に近い構成もかなり見やすくなってきます。

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