はじめに
新年度が始まって約2週間。
新社会人の方は、少しずつ職場にも慣れてくるころではないでしょうか。
一方で、最近は退職代行の話題を目にすることも増え、「もう辞めたの?」と驚くようなニュースを見ることもあります。
……とはいえ、冗談はさておき、今回は私が新入社員時代に先輩から教わった3つのことについて書いてみたいと思います。
今振り返ってみると、どれも特別に目新しいことではありません。
ただ、社会人として長く働いていくうえで、今でも十分に通用する大切な教えだったと感じています。
私の就活
ここで少し、私が新入社員になるまでの簡単な経緯を書いておきます。
私は地方から東京の大学に進学しましたが、就職活動を始めたのはかなり遅く、大学4年生の夏からでした。
当時は就職氷河期のまっただ中。にもかかわらず、私はそんな社会情勢をあまり深く理解しておらず、かなりマイペースに就職活動をしていました。
資料請求をした会社は、たしか7社ほど。
そのうち、実際に資料が届いたのは3社くらいだったと思います。
資料が届かなかった会社については、自分から直接問い合わせもしました。
ただ、返ってくる答えはどこも似たようなものでした。
「業績不振のため、今年の採用はありません」
今思えば、かなり厳しい時期に、ずいぶんのんびりしていたのかもしれません。
それでも当時の私は、危機感が薄かったというより、社会の現実をよく分かっていなかったのだと思います。
うまく潜り込めた1社
なかなか就職活動がうまく進まず悩んでいたころ、当時購読していた模型雑誌を見ていると、あるホビーショップがアルバイト求人を出していました。
そのホビーショップの存在は以前から知っていて、どこか敷居が高い印象がありました。
「自分がそこで働くなんて難しいだろうな」と思っていたのですが、思い切って応募してみることにしました。
そして紆余曲折を経て、大学4年生の秋にアルバイトとして働き始め、翌年の4月には正式に正社員として採用されることになりました。
就職氷河期の中、給料は決して高くはありませんでしたが、自分の好きな仕事に就けたことは本当にラッキーだったと思います。
思っていた仕事と違う?
私が就職したのは2000年。
21世紀の1年前ですが、まだまだ昭和の空気がうっすらと残っていた時代でした。
運よくアルバイトとして採用されたものの、最初にやることは掃除ばかり。
毎日ショーウィンドーのガラス磨き。しかも「拭く」のではなく、磨く。
ホコリがたまった商品をきれいにし、床をモップ掛けし、商品を補充する。そんな雑用が中心でした。
当初思い描いていたキラキラした職場とは大違いでした。
しかも一日中立ちっぱなしで、足は棒のようになりました。
アルバイトの同期も何人かいましたが、仕事のイメージとのギャップに耐えられず、一人、また一人と辞めていきました。
先輩から教えられた3つの鉄則
同期が辞めていく中、私は何とか一人踏ん張っていました。
せっかく入れた会社を、そう簡単に辞めるわけにはいかない。そんな思いで、毎日ひたすら雑用をこなしていました。
そんなある日、会社の先輩、つまりその店の店長から声を掛けられました。
「ここで仕事をするにあたって、3つの鉄則がある」
先輩は関西人だったので、実際にはもっと関西弁で、もっと勢いのある言い方だったのですが、内容をまとめるとおおむね次の3つでした。
① 我慢強さ
仕事は楽しいことばかりではなく、むしろしんどいことの方が多い。
仕事を覚えるまでは雑用もあるし、失敗して落ち込むこともある。
それでも途中で投げ出さず、我慢強く続けることが大事だという教えでした。
② 全て丸暗記
仕事で必要なことは、できるだけ頭に入れておけということです。
商品の名前、価格、発売時期、在庫の場所など、いちいち調べていたら時間がかかる。
掛け算の九九と同じで、仕事に必要な情報は知っていて当たり前だという考え方でした。
③ 少し先を見て行動する
仕事をするときは、その場その場で動くのではなく、段取りを考えて取り組む。
期限があるものはリードタイムも意識する。
つまり、次に何をすべきかを常に考えながら動くことが大切だ、という教えです。
細かなニュアンスは多少違っているかもしれませんが、だいたいこのようなことを言われていたと思います。
2000年代初頭らしい、少し根性論の混じった教えではありますが、今あらためて考えると、どれも十分に通用する内容だと感じます。
今の自分に当てはめてみると
この約四半世紀前に教わった3つの鉄則を、今の自分に当てはめるとどうなるのか。
少し考えてみました。
① 我慢強さ
これは昔も今も変わらないと思います。
社会に出れば、理不尽なことや納得できないことは少なからずあります。
精神的にも肉体的にも、ある程度のタフさは今の時代でも必要です。
もちろん、無理をしすぎるのは良くありません。
ただ、何かを身につけるまでには、ある程度の粘り強さが必要なのも事実だと思います。
② 全て丸暗記
今、私はCCNAの学習を進めていますが、Cisco Packet Tracerを触っていると、コマンド入力にはやはりある程度の暗記が必要だと感じます。
コマンドを打つたびに本を見ていては、時間がいくらあっても足りません。
もちろん、最初から全部覚えられるわけではありません。
それでも、頻度の高いコマンドや基本操作は、繰り返すうちに自然と頭に入れていく必要があります。
そう考えると、「必要なことは丸暗記」という教えには、今でも納得できる部分があります。
③ 少し先を見て行動する
これは日々の業務にも、そのまま当てはまります。
タスクを洗い出し、優先順位をつけ、どこから手をつけるか考える。
そうした身近な行動も、まさに「少し先を見て動く」ことの一つです。
さらに、もう少し長いスパンで考えれば、これは自分自身のキャリア戦略にもつながります。
これから何を学ぶのか、どの方向に進みたいのか。
目の前の仕事だけでなく、少し先の未来を見据えて行動することも、今の自分には必要だと感じています。
おわりに
もう25年以上も前の、先輩からの教えです。
それでも今振り返ってみると、どれも十分に通用する、普遍的な教えだったのではないかと思います。
当時教えてくれた先輩には感謝していますし、あのころを懐かしく思う気持ちもあります。
その一方で、自分自身もまたフレッシュな気持ちを忘れずに、新しい挑戦を続けていきたいと思います。
新社会人の方にとっても、何かひとつでも参考になるものがあればうれしいです。

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